「ラストピリオド−果てなき道−」


憧れって言うものを何時からか否定して
息子の成長を見守る

本当に叶ったものなんて何もなくて
最後の最後に幼き頃の夢

聞いてやるから何でも言ってね
息子から突然言われた父親らしい一言に
思わず涙が溢れてくる

お前の我儘は母さんに似たんだぞなんて
何千回も聞く耳をリサイクルしてもらい
息子に当てつけられた低い壁

子供の頃にはもう少し自然があったんだよな
遠い目をしてしまう瞬きの跡の景色
それが見て分かるようになった息子よ

一過性の流行り廃りではなく
単純な好奇心に心を揺すってやる

いつかのその昔
夕日に涙しながら誤魔化して帰ったときもあったよな

もう少しで僕の気持ちも幼子に戻るんだけど
何時だって息子とは友達気分だからな

新しいけれども古臭いものを求めていく
それこそがお前のしたい親孝行

立派になったぞ我が息子
昔言われた父親の口癖も
僕の本質に近くなったことは
そうだなまだ分からなくてもいいぞ

ニヤッとして釣り竿を磨き始めた二人

「二人だけの空間」


何か面白いことないかなと路上を見つめてた
君が教えてくれた音楽の素晴らしさに心委ねる

何時もだったら緊張しちゃう歌の発表会に
何故か全力を出し切ったんだ

こんなに大人の時間が気持ちいいなんて
知らない僕に朝焼けを見せてくれたね

話半分で聞いていたけれどこの街一番の
歌上手決戦だったよね

何時までも引き分けのまま20年の年月が
また再びの幕開けを予感させる

始まったばかりの今の旅はどうですか?

急にらしくなく猫を被ったままの二人に
時を止められた感覚を共有していた

短いプラチナストリートにしっかりと付いていく
今の最強の歌声がまだまだ寒い世界を席巻していく

そんな見える距離の出発点の僕と到達点の君
糸電話なんていらない気がしていた

伝わってるから夜空の星までも光り輝いて
朝焼けを凌駕していくんだ

凄い感覚
自信満々のアーティストが避けて通る
僕達の道こそ白金の足跡だけを残している

僕達がつけた足跡は突然現れた
天才では太刀打ちできずに
呆然と避けて通っていった

だからかな最近耳栓を外して外に出歩くのは
まだまだこれからの場所も二人の馬鹿力で
質を上げて三つ目の輝きを待っている

聴きに来たら唄えばいいんだよ
雨漏りのする錆びついた屋根の下
名前なんてない影のお便り