「お気に入りは秘密。言わねぇよゼッテー」

轟音鳴り響く私の道でふと零した涙の灰を
砂浜に掛からないようにと一人ベンチ

ようよう二人きりで見つけてやったお気に入りの
喫煙所は誰にも見つからない俺たちの縄張りだよ

スカジャンはいつもの場所じゃんなんて
何処かブラウン管で見つけてはけなして
お気に入りのお店はお前にも教えてやんねえ

だからこうやって雫のような灰を踏み潰す
スケボー少年のずっこけ方を真似てやったり

まだまだなってないやつを見てると
あんな奴でも小綺麗な娘を連れてんだ
なんて友を呼び出しては談笑してやった

ふと我に返り失笑気味でたまに聞く
サイレンの音に手を動かしたり
タバコの持つ手を見たりして
分からない感情が身体を震わす

夜になれば何時ものお気に入りの景色が
私を日曜の憂鬱から救ってくれる

瞬きは一瞬のマフラーの嘶き
お前はそこを退いて俺にも夢を見せてくれ