高校生の時、付き合っていた先輩がいた。
その先輩は、凄いかっこよくて優しい。
そして歌が上手い。
学校全女子にモテモテだった。
そんな先輩と付き合うことができたのは奇跡だ
先輩との出会いは、屋上で歌っている姿を見た時だ。自分は音楽に興味があるわけでもないのに、何故か先輩の歌声に癒されてその場から立ち去ることができなかったのと同時に先輩が泣きながら歌っていたからだ。
「どうして泣いてるんですか?」
「‥‥君は?」
咄嗟に言ってしまった言葉にヤバいと思ったものの、先輩は嫌な顔せずに聞いた
「2年の綾瀬 遥です。あなたは?」
「泉 快斗。3年」
私たちの出会いはこんな感じだった。
何故泣いてたのかは今でもわからない。
もう、聞いちゃいけない気がしたから聞かずに時間が過ぎていった。
先輩と出会って数ヶ月が経った頃に、お互い好きになって付き合い始めた。
これがきっかけで、興味のなかった歌にも興味が湧いて一緒に歌ったりしていた。
楽しい日々がずっとずっと続くと思ってたのに
突然、彼の大切な家族を奪ってしまった。
彼の両親が買い物に行って帰ってくる時に事故に遭ってしまった。
車に轢かれてしまったのだ。
その車を運転していたのは、
私の…姉だった。
彼が泣き崩れているのをみて私は
姉が轢いてしまった何て言えなかった。
言ってしまったら、嫌われてしまいそうで
でも、私は
傷付いている彼にまた心に傷をつけてしまった
「先輩、別れよう」
そう言って、彼の目の前から消えた
それから、6年後‥‥
