またさらに顔が赤くなった。過去にも言われたことないことをサラッと言われて変な動悸がしてくる。
生意気なのは分かってるし、学生の頃はそれで先輩と喧嘩したことだってあったから。
でも、口が上手くなったことは明らかで、和解してからは困惑させられるようなことばかり言ってきて調子が狂う。
「ど、どうしちゃったんですか? 昂良先輩らしくないですよ」
「俺は普通だけど」
いやいや、ほんといつもの昂良先輩じゃないみたい。
この空間に二人だけだとういことを急に意識してしまうくらい。
「歴代の彼女さんには……そうやって甘えてきたんですか?」
「は? いや、甘えたことはないな。むしろ甘えられてちょっとウンザリだった」
「加藤さんもですか?」
「え?」
しまった!
口に出すつもりはなかったのに、ずっと心に引っかかってたせいでつい言葉に出てしまった。
先輩もまさか私の口から『加藤さん』の名前が出ると思ってなかったのか、すごく驚いた顔をしている。
「お前、あいつのこと知ってんの?」
「……はい。このあいだ挨拶したので……」
「あぁ」
先輩は肘をついていた手で頭を抱え、急に肩を落としてため息を吐いた。
あぁ……私のバカ。そんなこと聞いてどうするの。
けれど、もう口から出てしまったものは取り返しがつかない。
「ごめんなさい。余計なこと言っちゃいました」
「……いや、別に知られても問題ないし」
この間の二人の様子じゃ完全に復活した様子だった。それって既婚者との不倫を知られても問題ないってこと?
「今でも……好きなんですか?」
「は?」
「加藤さんのこと今でも好きなんですか?」



