「あっ! はじめまして聡太の……聡太さんの友人の若宮千春です」
思わずいつも通り呼び捨てしそうになって、慌てて言い直してからぺこりとお辞儀をし自己紹介すると、彼女も丁寧にお辞儀を返してくれた。
「はじめまして、立花優子です。千春さんですよね。聡くんからお話伺ってます」
聡くん……。ヤバい、こんな時なのに笑えてくる!
「あの、ご結婚おめでとうございます。聡太さんからお話伺って、私もお式に参列させていただけるとのことで、ありがとうございます」
「いえ、こちらこそ来ていただけると聞いて嬉しいです。またあらためて招待状送らせていただきますね」
「はい、よろしくお願いします」
にこにこと会話しているのを、聡太は嬉しそうに聞いていた。元カノと今カノのほのぼのした挨拶に満足しているような表情だ。
「それにしても聡太、聞いた通りの可愛らしい方だね。お似合いだよ」
「はは、恥ずかしいわ。でもまさかこんな所で千春に会うとはな。ところで……後ろの方は?」
「あっ」
そうだ、先輩と一緒にいるの忘れてた。
振り向いて後ろを見ると、ピタッと背中が張り付くくらい真後ろに先輩が立っていて普通に驚いてしまった。
「えっと、私の大学の先輩で同じ会社の藤井さん。美香へのお祝い品を一緒に買いに来てたの」
先輩もぺこりとお辞儀をして挨拶を返してくれた。聡太は先輩をチラッと見てから、複雑そうな顔をしたと思うとすぐにニヤッと笑った。
「美香ちゃんに? 一緒にってことは……もしかして、千春の彼氏?」
「ち、違うちがう! 共通の知り合いだから、たまたま一緒に買いに行こうってことになっただけ」
最初に寄った贈答品フロアの店員さんからも夫婦だと間違われたことを思い出し、違うと否定しても一瞬にして顔が赤くなったのが自分でも分かった。
聡太を前にしてやけに不自然な動きになり、動揺して変に怪しまれたかもしれない。



