「はあ〜、お腹いっぱい」
「お前疲れてたわりによくそんな食べれんな……」
「疲れてるからこそ食べなきゃですよ」
私は食事を終えてから最後にデザートも注文し、それも完食した。
少しでも体力を回復しないとまた見て歩けないから。――という言い訳を唱えながら、少し大きめの抹茶パフェを平らげていた。
「腹いっぱいだともう歩けないんじゃないのか?」
「大丈夫です。おかげで少し回復したんで」
ふむ……と思案顔をした先輩。
食べすぎだと思われたかもしれないけど、脚は疲れててもお腹は元気だしデザートさえ食べれば気分も上がって、気力体力共にパワーアップ出来た。
大丈夫ですよ〜とニコニコする私を見て、薄っすら結露ができたコップを持ち上げ一気に水を飲みほした先輩。
「とりあえず今日は諦めて、また次探すか」
「え!? もう辞めですか?」
「ここで見つからなきゃ、どれだけ歩いても同じだろ」
「そうですけど……でも」
まだまだ見て回ろうと気合いを入れていただけに、終了を告げられて肩透かしを食らった気分になる。
これじゃあ何のために一緒に来たのか、何ひとつ見つけられなくて役に立てなかったのが申し訳なく感じてしまう。
「そのかわり、また次も付き合ってもらうから」
「え?」
「あいつらの好みは千春にしか分からないし」
「いいんですか?」
「いいも何も当たり前だろ。お前がいないと俺一人じゃ何も決めらんないし」
それを聞いて驚きとともに思わず口の端が緩んでしまった。
私がいないと……って。以前の昂良先輩ならそんなこと絶対言わなかったのに数年で甘え上手になってるんですけど!
今まで付き合ってきた彼女たち……加藤さんにもこんな風に甘えてきたんだろうか。
と、また余計なことを考えてしまった。



