先輩、お久しぶりです


「若宮さんは秘書室だよね。君みたいな綺麗な人が秘書だったら毎日頑張れそうだな〜」


 それにしても、初対面でこのセクハラ発言はどうかと思う。
 昂良先輩と同じ開発企画本部の同期らしい、隣に座る的場さん。


「あはは……。それより開発企画はお忙しい部署なんですよね。休日出勤も普通にあると伺ったんですけど」

「休日出勤て言っても重要な案件がなければ休みだよ。ちゃんとデートする時間もあるから心配しないで」


 心配もしてないし、そんなことは聞いてない。
 適当に受け流して話を逸らしたのに、この人絶対ナンパ目的で来た口だな。


「そうなんですね。じゃあ彼女さんも安心ですね」

「やだなー、彼女なんていないよ」


 それならなおさら厄介だ。
 こんな軽い感じで話しかけられて信用する人は誰もいないだろう。
 明らかに浮気相手か、遊び相手探し目的で来たのが分かる。分かりやすくそういう人でも探せばいいのに。


 そんなことを思いながらチラッと昂良先輩を見ても、黙ったまま下を向いてお酒を飲んでいる。
 俺には関係ないとでも言いたげな態度だ。


「君はいないの? いい人。もしいなかったら僕が立候補しちゃおうかな〜」


 あはは、無理です。
 無神経そうでちょっと対応したくないなぁ。


 ここは秘書業務で学んだ、ややこしいおじさんをあしらう、必殺! 接待は愛想笑い作戦でいこう。


 そう思ってニコニコした途端……