「まったまた〜! 若くて綺麗な若宮さんが口説かれないわけないじゃーん。私だって住宅事業の人から声かけられたのにぃ」
「それ自慢?」
松下さんが冷ややかな口調で言う。
ニコニコしながら笑顔がぎこちなくなってないだろうか……。
「そ、そんなわけないじゃないですかっ」
村元さんは気を遣って否定したけど、なんだか松下さんという人は、他人の容姿やモテる話が鼻につくようで、さっきからやけに攻撃的な気がする……。
彼女も髪を下ろしてメガネ外して笑ったら可愛いだろうに、自己評価が低いのかな?
それにしても昨日の加藤さんといい松下さんといい、同じような人種と当たってしまうのは私のこのどんよりした気持ちが引き寄せてるのかなと少なからず凹んでしまった……。
なんとなく当たり障りのない話を続けたあと、やっと食事が届いた。
ランチタイムということもあって店内は賑わっている。3人ともコーヒーとデザート付きのセットメニューを頼んだ。
話をしながら食事をしていて入社年度を聞かれ、私が3年目だと答えると村元さんは私の一つ上、松下さんは二つ上ということが分かった。
「じゃあ若宮さんは加藤さんと被ってないんだ」
「そ、そうですね、私と入れ違いで辞められたんで」
なんで今その名前出すかな……。
「じゃあ若宮さんは知らないか。昨日来てたよね、加藤さん。派手で傲慢な感じは相変わらずだったけど」
あ、みんな知ってるんだ。
知らないのは私だけだったのか。
「こちらに用事があって来られたみたいですよ」
木村役員と話があったのは、本当のことだ。
でもそのあと先輩とも用事があったのか、腕を組んで消えていく二人をまた思い出してしまった。



