先輩、お久しぶりです


 少し他人行儀な会話だけど、初めのうちは仕方がない。
 でもなるべく笑顔で人当たりよくしようとニコニコすることにした。


「けど、秘書室の人みんな容姿端麗で才色兼備な人ばっかでいいわよね。ほーんと羨ましいわ」


 眼鏡をかけて黒髪をひとつに束ねた真面目そうな印象の松下さんが、分かりやすく棘のある口振りでそう言った。


 えーと……確かにみんな見た目は悪くないと思うし、気が強い人が多いのは否めない。
 その中で私は一番平凡だと思う。だから秘書みんな……ではなく、私はその中に含まれないと自覚している。


「でもみなさんいい人ばかりですよ」


 一応フォローも入れておこう。


「とは言ってもやっぱり秘書さんは花形ですよね〜。マナーも綺麗だし対応も素敵なイメージだなぁ」


 村元さんは肩までのふんわりヘアの茶髪で、人懐こそうな目元をした笑顔の可愛らしいお茶目な人だ。


「そうでもないですよ。私なんて失敗ばかりでまだまだですし……」


 あまり謙遜しすぎても、逆に嫌味に聞こえるから難しい。


「交流会の時もうちらの男性陣喜んじゃって大変だったんですよ。秘書さんと仲良くなれる〜! って開企の飲み会だと欠席するのに、みんな出席してたくらい。住宅事業本部もみんな出てたらしいですし」

「そうなんですか? 私交流会出るのは初めてだったので、人数が多いとは思ってましたけど」

「ほんとみんなバカだよね。合コンだと思って参加してるやつばっかでさ。若宮さん口説かれなかった?」

「え……? ええと、特には」


 正直に言えば的場さん以外にも何人かに声をかけられた。けれど酔ってるからだとあしらって逃れていたから、口説かれるほど親しく話していないのも事実。