先輩、お久しぶりです


 スマホを立ち上げて写真を検索しだした聡太。
 少し顔が赤くなっている。


「いいじゃん、どうせ会うんだし。彼女さんのお名前はなんて言うの?」

「立花優子」

「へぇ、じゃあ優ちゃんとか優子って呼んでたり?」

「優かな」


 ヒューヒューと煽ってみた。
 なんだか見てるこっちまで恥ずかしくなるくらい、聡太の顔が緩んでいる。
 優子さんのこと本当に好きなんだな。


 聡太はスマホをコチラに向けて、写真を見せてくれた。


 どこかの桜並木の満開に咲く桜をバックに、ピースをしながら仲良く肩を寄せ合って笑顔で写っている二人。


 優子さんはふわふわと優しい感じの小柄で可愛らしい見た目。写真からでも守ってあげたくなるような、可憐な笑顔を見せている。


「わぁ、優子さん可愛い! なんか小動物っぽくて庇護欲くすぐられるタイプだね。こりゃ、聡太ベタ惚れでしょ」

「それが見た目に反して気が強くてさ。わりと文句も言ってくるし結構うるさいとこあるよ」


 おや? 聡太が誰かに対して褒めないのは珍しい。
 けど、それは惚れて気を許してる証拠。


 どんなことがあっても聡太は必ず相手を褒めるし、あまり人の悪口は言わないタイプ。
 少なくとも私は憎まれ口を叩かれたことがなかった。


 だからこそ、私は結婚する相手じゃなかったんだな……と、数年越しに気づいた事実。


 結婚相手を紹介されても、モヤモヤすらしないのは友人としての感覚以外考えられないから。


 なのに複雑な気持ちになるのは、自分が取り残されたような気になったからかもしれない。