そう言って急いで部屋を出た徳田さん。
上とは社長や副社長などの重役のこと。個人秘書さんも忙しいので、在席中はなるべく直接行って説明することが多い。
今は他の秘書さん方も電話対応や、切羽詰まった感じで書類作成している。
確かに私以外見た感じ頼めそうにはない……。
時計を見るともうすぐお昼休憩間近だった。
「急がなきゃ!」
とりあえずセッティング用の物品を荷台に乗せ、B1会議室へ向かった。
階下にある会議室へ行くと、見覚えのある部署が会議を終えたばかりで、ゾロゾロと部屋から出てきていた。
「お疲れ様です」
「お疲れ様ですー。あ、若宮さんお久しぶりです。元気してました?」
若めの女性が話しかけてきた。
確か彼女は飲み会の時に話したことのある、開発企画本部の村元さんだ。
「お久しぶりです。今会議室に入っても大丈夫でしょうか?」
「大丈夫ですよ、終わったところなので。まだ機材撤去してると思いますけどぉ〜、大丈夫です!」
首を反らせて会議室の中を見た後、ぐっと親指を立てて親しみのある笑顔で返してくれた。
そのコミカルな動きが面白くて、吹き出しそうになったのを堪えた。
「ありがとうございます」
つられて親指を立てる私。
そのやり取りがやけに面白くて、結局お互い笑ってしまった。
「あ、そうだ、良ければ今度一緒にご飯行きませんか?」
そう誘われ「もちろんです」と快諾してからペコリと軽く会釈をして、みんなが出てくるのを待ってから中へ入った。
ガラガラと荷台を押して入ると、まだ開企の人が作業している。
「すみません、秘書室ですけど次使っても大丈夫ですか?」
「はい、もう少しで撤去完了しますんで少しお待ちいただ――って、千春ちゃんじゃん!」



