先輩、お久しぶりです


「あのね、実は……昂良先輩が二人の結婚祝いを贈りたいらしくて、陵介先輩の連絡先を聞きたいみたいなんだけど、私から教えてもいいかどうかまずは二人に聞いてからと思って」


 矢継ぎ早に言うと二人とも言葉を失って驚いていた。


 そりゃそうだ。
 私から昂良先輩の名前が出てくるなんて思ってもいなかっただろうから。


「えっ、ちょっ、ちょっと待って! 昂良先輩と連絡取ってるの!? 結婚て言われるよりビックリなんだけど!!」

「違うの。それが……偶然同じ会社に就職してることが分かって」

「え! マジっ!?」


 二人とも驚いた勢いで半身を立てている。


 それほどにこの話がみんなにとって青天の霹靂なのだろう。
 私だって再会した時の衝撃といったら、口では表せないほどだった。


「この間たまたま再会した時に、二人の話したらお祝いしたいって」


 美香はまだ驚き顔。陵介先輩は一旦落ち着いたのか、人差し指を鼻に押しつけて考えている様子。


「俺は全然構わないけど、千春ちゃんは大丈夫なの?その……また昂良と繋がっても」


 誤解された者同士、絶縁された時の状況を伝えていたから心配してくれてるのだろう。


「最初は気まずかったんですけど、一応あの時の誤解は解けたんで、今は大丈夫です」

「そっか……」


 美香と陵介先輩は心配そうに顔を見合わせた。


「でも、無理しなくていいよ。千春とはこれからも付き合っていくんだし、千春がまた気まずい思いするなら私たちはお祝いとかいらないから」

「そうそう、俺も気にしないよ」


 二人して私の気持ちを気遣ってくれる。

 あの時の思い出は辛いけど面と向かって文句も言えたし、今はそれほどヘコんではいない。


「ありがとう。だけど本当にもう大丈夫だよ」

「千春がいいって言うなら、私たちもありがたいけど……とは言っても私だって千春にあの頃の罪滅ぼしちゃんとしたわけじゃないし」

「なに言ってんの。また親友として仲良くしてくれてるだけで何もいらないよ」

「いつも千春はそう言うけどさ、私も酷いこと言ったのに……」

「それはお互い様だって何回も言ってるじゃん」

「でも……」