二人を見るのは慣れてるのに、新婚さんだと思うだけでなんとなく照れ臭い気持ちになる。
「旅行から帰ってきてすぐなのに、お休みの日にお邪魔しちゃってごめんね」
「全然だよ! お土産も渡したかったし来てくれて助かった」
美香のお腹の中の赤ちゃんは安定期に入ってはいるものの、念のため新婚旅行は国内を廻った二人。
海外へ行くのは子供が産まれて落ち着いてからあらためて行くそうだ。
「わざわざありがとう。陵介先輩も気を遣わせちゃってすみません」
「何言ってんの。千春ちゃんは特別なんだからお土産くらい当然でしょ」
美香はカチャカチャとティーセットをトレーに乗せて運んでくると、「よいしょ」と言って同じようにソファの前に座った。
「そうやって見るとだいぶお腹も出てきたね」
「でもまだまだ身軽だよ。悪阻も終わったみたいだし、今が一番体が楽かもしれない」
「もっと大きくなったら動き回るの大変だもんね」
「そ。だから今のうちに食べたい物とかやりたい事いっぱいやろうと思ってるの」
「でも、動きすぎないようにね」
「分かってるよ〜」
などと気楽な会話をして笑い合ったあと、私は少し畏まった。
「ところで二人に話があるんだけど……」
そうやって切り出すと、私のあらたまった態度に美香も陵介先輩も何事かと気がかりな表情になった。
そこまで大騒ぎするようなことではないのに、なぜか言い出すのに緊張してしまう。
「なに? 何かあったの?」
「え……もしかして、千春ちゃん結婚!?」
「いえ、違いますから。とりあえず落ち着いてください」
彼氏がいないことくらい知ってるくせに、意地悪だな。



