休日、連絡を取って美香の新婚家庭にお邪魔した。
「千春いらっしゃい。引っ越してから来るの初めてだね」
「お邪魔しまーす。そう思ってはいコレ、引っ越し祝い」
「わぁ、ありがとう!」
新婚の引っ越し祝いは何が良いか迷ったけれど、赤ちゃんが産まれた時のことを考えて離乳食にも使えるマルチブレンダーにした。
「陵介先輩お邪魔します」
「千春ちゃんいらっしゃい! 先月は式に来てくれてありがとうな」
リビングのソファで寛いでいた陵介先輩が、立ち上がって出迎えてくれた。
「すごくいい結婚式でしたね。私ずっと泣いてしまって、ちゃんとスピーチも読めなくてすみませんでした」
「ほんと千春見たらずっとグズグズ言ってるから、泣く役の私の方がずっと笑っちゃってたわよ」
「だって感動したんだもん」
出会いから結婚妊娠と近くで二人を見てきた私は、チャペルの前で誓いの言葉を交わし合う場面を見てから、感慨深すぎて終始涙腺が崩壊していた。
披露宴で両親への手紙を読み上げている時なんかは、嗚咽を漏らすほど泣いてしまって周りの友人達が笑いつつ背中を摩ってくれた。挙げ句友人代表のスピーチなんて酷いものだった。
それほど感動したのだ。
なのに、この二人は遠くから笑いを堪えるのに必死だったようで、ゲストのお見送りの時には爆笑されたのだった。
「あのあと、うちのお母さん達に慰められてた時はヤバかったわ」
「もうやめて……」
「けど、千春ちゃんのおかげで思い出深い式になったことは間違いないよ」
「そう言っていただけると、報われます」
また恥ずかしさがぶり返してきそう。
「とりあえず座って〜」
「うん」
美香にそう言われ、リビングのソファ横のローテーブルの前に座った。



