先輩、お久しぶりです


 コンビニを出て社屋へ足を向けると、昂良先輩も当然のようについてきた。まぁ同じ会社だし……。
 にしても、どうして私がここにいるのが分かったんだろう。


 奢ってもらったカフェラテの蓋にストローを挿して、飲みながら歩いた。


 ひたすら飲む私と無言で歩く先輩。


 この時間なんなの?
 歩いてるだけなのに、居心地が悪い。


「あのさ……」

「はい」

「陵介の連絡先、教えてくれない?」


 ストローを口に含んだまま、長身の先輩を見上げた。


 眉尻の下がった子犬みたいな顔で情けなく私を見下ろしている。


 イケメンが台無しだな。
 いや、情けない顔をしてても男前には違いない。


 というより、これが聞きたくて付き纏ってたのね。まわりくどいやり方。


 口を離した瞬間、カップに空気が入りガボっという大きな音がした。


「お祝いするんですか?」

「今さらだけどな」

「もしかして、陵介先輩の連絡先もブロックしてたんですか?」

「いや……スマホ替えた時に間違って連絡先一斉に消えてから、連絡取り合ってないんだ」


 ふ〜ん。要は消したのか。
 本当かどうか分からないけど、私が勝手に教えたとなるとややこしくなりそうな気はする。


「とりあえず私から陵介先輩に連絡して、昂良先輩に連絡先教えてもいいか聞いてからでいいですか?」

「それでいいよ。あー……悪い、頼む」

「どういたしまして」


 やけにしおらしかったのは、これをお願いするためだったのね。いつになく可愛らしいとこもあるんだ。