先輩、お久しぶりです


 そんなことを思いながら、たーくんに肩を抱かれたまま近くの駐車場へ向かっている途中、ビルの壁面に大きな屋外広告があるのが目に入った。


 そこには弾けるような笑顔の親子が遊園地で楽しんでいる様子が映っている。


「あっそうだ。そういえば私、二次会のビンゴ大会でテーマパークのチケット当たっちゃったんだ。新婚旅行行く前に今度のお休みの日にでも一緒に行こうよ」

「そうだな。でもその前に……」

「?」


 何かあるの? と顔をあげた瞬間、チュッと唇が重なった。
 キスは何度もしているのに、いまだにドキッと胸が高鳴ってしまう。


 そして温かな唇が離れると、長いまつ毛の瞳を細めてふんわりと笑った彼。


「早く家に帰って、たくさん千春を抱きしめたい」

「うん……。じゃあ、たーくんが淹れてくれた珈琲を飲んだあとで、ね」







fin