高校の入学式。
僕、朝露 莉夢(あさつゆ りむ)はワクワクしながら学校へと向かっていた。

その日は雨が降っていたが、僕の心は晴れだった。
入学式が雨というのは少し残念に思うかもしれないが、僕は僕の心も神秘的に映してくれる、雨が好きだ。土砂降りは嫌いだが。
そんな僕にはとっておきの入学式だったのだ。
雨に濡れた桜が綺麗だった。神秘的だった。

今までの時が止まったような極端に古い中学校とは全く違う景色だった。それに雨が相まって、言葉には表せないほどに綺麗に思えた。
中学校の辛い思い出とはおさらばして、新しい高校生活を送るのだ。

そう決めていた。