誰よりも強い私が恋愛を知る話。

「昨日はいつもより疲れたな〜」

私が暴走族に入っていることは、周りにはもちろん、両親にも秘密だ。 

お兄が入っていることは多分知っているが、私が入っていることは言わない方がいいだろうというお兄の判断だった。

だから私は、朝、親が起きる前には家にいなければならない。

なので朝方に行われる幹部会議にはいつもリモートという形で参加していた。

『琴葉ちゃんさ、もう少し敵のいない安全なルート歩いた方がいいんじゃない?康介もいるんたし』

「でも、どの道を通っても怪我なんてさせたことないんです。それなら最短で行けるところがいいかと思って、、」

この優しげな口調で話してくれているのがうちの副総長の長谷川 晴翔。

長谷川グループの御曹司。

お兄とはゲームで出会ったらしく、そこで意気投合。

お兄の入っていた暴走族に興味が湧いて、入ってみた結果凄く強かったっていう嘘みたいな伝説を持つ男。

晴翔くんはお金持ちしか通えないと言われている私立高校に通っていて、言ってしまえば私なんかとは全く縁のないタイプ。

育ちが良さそうだけど、喧嘩は容赦なし。

ある意味ギャップってやつなんだろうけど、私にはあまりピンと来ない。

実質、私の方が強いわけだしね。

『まあ、喧嘩隊長のこっちゃんなら大丈夫だよ!ね?こっちゃん??』

「さっくん!そういうことなのよ!例えお兄がそばにいようと、私は負けない!」

『俺が弱いみたいな会話やめてー!』

私のことをこっちゃんと呼ぶ彼は、うちの幹部の二階堂 皐月。

中学三年生という年齢でうちの幹部を務めるすごい人。

か弱そうな見た目から敵も油断して近づくが、見た目とは反した強すぎるパンチでだいたいみんな1発でダウンしてしまう。

ただ、その見た目と強さのギャップを武器にしているため、何度もおなじ敵と戦うことができず、メンバーに情報を発信する司令塔としてビルに残ることが多い。

『まあ総長ももう少しだけ喧嘩出来ればいいんだけどね〜』

『お前、、幹部外すぞ』

『そんな権限総長にないくせに〜』

『うるせ。琴葉がその気になれば』

「私学校の準備あるから早めに終わらせて欲しいんですけど、」

『OK!じゃあ琴葉ちゃん、また今日も連絡入るかもだから、課題は早めに終わらせなね。』

「了解!」