僕の特技は秘密です

『学校についたよ。つーちゃんのクラスはどこ?』

旺介くんからメッセージが届いた。

『3-Eです。4階の階段の隣です。』

手短に返信をし、窓の外をのぞいたが、人がすごくてどこにいるのかは分からなかった。

「旺介くん、学校ついたって!」

大ちゃんと梨香子に声をかけた。

「やったー♪旺介さんに会うの2回目だ!私も仲良くなりたーい!」

「お前みたいなお転婆は相手にされねーよ。」

私たちの会話を聞いたクラスの女子が集まってくる。

「えっ?伊勢さんの彼氏くるの??」

「彼氏じゃねーよな!神社の関係者なだけだよ。」

クラスメイトの言葉に大ちゃんが直ぐに否定した。

確かに彼氏じゃないけど…。否定をされると寂しく思う。
しばらくすると、教室の前がざわつきはじめた。

「あの人、超かっこよくない?」

「え?誰かの彼氏??」

そんな言葉をかき分けるかの様にして旺介くんがクラスの入り口から顔をのぞかせ、私たちの姿を見つけると、

「椿ちゃん!!」

と、いつもと違う呼び方をし、こちらに手を振る。

「旺介くん!いらっしゃ!」

私も手を振り返し、テーブル席へ案内する。

「こんにちは!ご注文はいかがなさいますか??」

梨香子が元気にオーダーを取る。

「…あ、じゃぁ…。ケーキセット2つで。飲み物はアイスコーヒーと椿ちゃんの好きなものを。」

と言いながら私を手招きして呼ぶ。

「僕、今日は一人で来たんだ。寂しいから椿ちゃんも一緒にいて欲しいな。何飲む??」

これが高校生と大学生の違いなの?スマートな流れで旺介くんは私を誘ってきた。

「えっ?わたし、まだ当番だし…。」

「いいじゃん!せっかくなんだしご馳走になったら?」

と梨香子に勧められ、旺介くんの向かいの席に座った。
サボるなよ!というメッセージなのか大ちゃんの視線が鋭くなる。