僕の特技は秘密です

作業をしながらふと、クラスを見渡してみる。

…確かに大ちゃんはイケメンなのかも。クラスの中では身長も高い方だし…。

幼いころから傍にいたので、大ちゃんがイケメンとか、そうじゃないとかで見たことがなかった。
おそらく、梨香子もそうなんだと思う。

旺介くんはそんな大ちゃんよりも頭一つ分は背が高かったと思う。
改めて旺介くんのスペックの高さに気づく。

大ちゃんとクラスの男子を比べていると、大ちゃんと目が合った。

「俺の魅力にやっと気づいて見惚れてた??」

大ちゃんは話しながら私の隣に来た。

「あはは、残念だけど、見惚れはしなかったなぁ。」

「俺は最近の椿、可愛いと思ってみてたよ。」

「えっ?」

なっ!

何!?

突然、耳元で言われ焦る。

「何赤くなってんだよ。冗談だよ。」

と、大ちゃんは笑いながら私の頭をポンポンと撫で、大きなては片手ですっぽりと私の頭を包む。

「そっ!そんなの分かってるよ!」

家族以外に可愛いんだなんて言われ慣れていないから耳まで赤くなる。
相手は大ちゃんなのに…。

「そーいや、親父(おやじ)から聞いたけど、椿の婆ちゃんがいる施設が取り壊しになるんだって?」

「そうなの…。私もお父さんから聞いてびっくりで…。」

「あそこが取り壊されたらどうすんの?他の施設に行くの?」

「それが、他の施設も空きがないみたいで…。」