「お父さん!何があったの!?」

「…そっ、…それが。ぁあ…。」

つーちゃんのお父さんは気が動転して言葉が出なくなっている。
つーちゃんはカバンからマイボトルを取り出し、お父さんにお茶を飲ませた。

「椿、心配かけた。昨日の夜、村長と呑んでてなぁ…」

「そう言えば、夜出かけてたね…。」

「昨日、見つかった地図を見せたんだ…。そしたら、一緒に隠されている『山切丸』と地図をセットで鑑定してもらった方が金になるんじゃないかって…。」

「それでここに来たの??」

「…あぁ。つ…椿、あの歌の続きだが、『影のチョウは宝を指して』で合っているよな??」

「えぇ。合ってるけど…」

「壁にある蝶の絵の部分を探っていたら、引き出しになっていたんだ。そこには壺が入っていて…。その中に短刀、『山切丸』が入っていると思って開けてみたら…。」

つーちゃんのお父さんは一旦息を飲み話を続ける。

「開けてみたらどうしたの?」

「…あ、開けてみたら、黒いモヤが溢れ出さしてきたんだ!強い風が吹いて、一瞬この場から消えたんだがまたここに戻ってきて…。その黒いモヤが大吾くんの口から入って行った…。」

「大ちゃんは何処なの!?」