この頃の僕は、この神社で『つーちゃん』と言う女の子とよく遊んでいた。

虫を捕まえたり、池の鯉を眺めたり、神社の階段でジャンケンをしてどちらが先に登り切るかなど、よくある遊びだったが、人見知りで消極的な僕とは正反対の明るく社交的なつーちゃん。
そんな彼女と一緒に過ごす事は、当時の僕にとって何よりも楽しかった。

興味あるものを見つけた時の顔や驚いた顔、笑顔なんてとてもキラキラしていて、つーちゃんの表示全てが可愛くて大好きだった。

きっと、つーちゃんが僕にとって初恋なのだろう。今年で大学3年生になるのだが、つーちゃんとの思い出の影響なのか、彼女と同じ黒髪のセミロングの女性を見ると、つい、ときめいてしまう。