「梶野くん、つぶらな瞳がたまらないよねぇ」
「………どこがつぶらな瞳なんだ」
「梶野くんの髪きれいだなー。一度でいいから触ってみたいよね」
「………」
わたしが一人でブツブツ言っている間、モモちゃんはずっと冷たい目でわたしを見ていた。
「若菜、そんなに梶野が好きなら、遠くで見てるだけじゃなくて、話しかけたら?」
モモちゃんからの突然の提案に、思い切り1歩後退した。
「無理無理!そんなの出来るわけないよ!」
「無理って……そんなんじゃ、梶野に見向きもされないよ」
「梶野くんの前だと、ドキドキして上手く話せない」
「……どんだけ梶野のこと好きなの」
「すごく!」
「……はいはい」


