「ただいまー!」
「あら、おかえり花」
家の鍵を開けて帰ると、おばあちゃんがそう言って笑った。
お父さんもお母さんも仕事で、お兄ちゃんのことを見てない時は、いつも近くに住んでいるおばあちゃんが面倒を見てくれているのだ。
「お父さんももうすぐ帰ってくるのよね。ご飯は大丈夫かしら?」
「うん。わたしが作るから、おばあちゃんは安心して」
「そう、花は頼もしいわね。何かあったら、すぐにおばあちゃんを呼びなさいね?」
おばあちゃんの存在は、本当に大きい。
こうして、わたしが帰ってくると、あたたかく出迎えてくれるし、お兄ちゃんをよく見てくれているし、いつも優しい。
「うん、ありがとう」
でも、おばあちゃんもおじいちゃんのご飯を作らないといけないんだから、手を掛けるわけにいかない。
おじいちゃんは、近くの施設の警備の仕事を今でもしていて忙しく、そんな中わたし達を気遣ってくれて、本当に感謝しかない。
「じゃあね、花」
「うん、またね!」
わたしは、おばあちゃんを見送ってから、夜ご飯の準備をした。



