「…でも…
 今からでも、やり直せるんじゃないかな…?
 あたしは……中村君と友達になってもいいよ?」




あたしは笑顔でそう言った。



「…森川…ありがとう…。
 美村も…ごめんな。
 じゃあ、俺ら行くわ。じゃあな」



そして、5人は出て行った―…




「いってぇ~~~!」



5人が見えなくなった瞬間、大翔はそう言った。



「……あんなパンチ効かないんじゃなかったの?」



あたしは意地悪っぽく言った。




「…効いてねえよ!」




大翔はそういって歩き出した。



あたしは、小走りで大翔の後ろを走りながら言った。




「ねぇ、大翔。
 大翔は、中村君を恨んでる…?」



すると、大翔は前を向いたまま言った。




「…恨んでないよ」




―大翔…




あたしもだよ…。






―この時のあたし達は


思いもしなかったね。




まだまだ…




乗り越えなきゃいけない試練がたくさんあるって…。