「…でも……
 大翔、あたしのこと
 諦めたんだよね…?
 今更
 何を話す必要があるのかな…?」




言った瞬間、少し後悔した。



「………そう言ったけど…
 やっぱり…夕衣が好きだから」




―ドキ…




大翔の真剣な眼差しに


ドキドキして………




あたし、やっぱり大翔が好きだなって思った。




「じゃ、もう
 終業式始まるし。
 …明日、待ってるから」



そう言って、大翔はあたしに背を向けて
中庭を出て行った。



「ッ……行かないってば!!」



あたしが大きい声で言うと、
大翔が背を向けたままで



「でも、待ってるから」



と言って、中庭を出て行った―…。





ッ………行かない…から…。