〜瑛朔〜

俺は紗㮈を引き取ってから
紗㮈のことを自分の娘のように
時には、恋人の華よりも大切にここまで育ててきた

周りからは、散々過保護にしすぎだと言われてきたが
引き取ったあの時
兄貴たちを見て泣いて叫んで倒れた後
目を覚ました時には、何もかも忘れていて
その後の紗㮈は一年以上心がどこかにいってしまっていて
放っておいたら死んでしまうと思った
泣きもしない、笑いもしない、感情が一切なく
話しかけても「うん」や「ううん」しか返ってこなかった