本当の恋とは言えなくて

松下さんの話しは想像を越えるものだった。

カズくんのそばについて仕事をしているうちに本当にカズくんを好きになっていて私のことが邪魔だったんだろう…

そう思っていた。



「…そんな…それじゃぁ松下さんが悪者になってしまうじゃないですか…」

松下さんの想いに胸が締め付けられるような気がした。

「私は…それでいいんです。ただ…私の望みを叶えるために、貴方を傷つけてしまったことが心苦しくて。」
涙をこらえた表情でそう言う松下さんから、その決意の固さがうかがえた。

「それでは、私はこれで失礼いたします。」

深々とお辞儀をして玄関に立つ松下さんの足が細かく震えている。

私は思わず松下さんを抱きしめていた。

松下さんの細い背中も震えている。

「大丈夫…きっと上手く行きます!何もかも…」

「相川さん…貴方をすごく苦しめてしまった、こんな私にまで…優しく…」

私はいったいどうしたらいいのだろうか。
正解がわからず途方にくれてしまった。