思考をシャットダウンしていたようで、気がつけば乾杯が終わっていた。震えそうな両足を踏ん張り、その場に立っているので精一杯だった。
ふんわりと足元が暖かさに包まれふと我に返る。
「紬先生どうしたの?」
たっくんが私の足元にしがみつき上目遣いで心配そうに見上げている。
「ふふ、何でも無いよ。大丈夫。」
たっくんに心配かけてはいけないと思い、笑顔を作りたっくんを抱き上げた。
「一翔くんが連れてきた女性だから、どなたかなと気になっていたのだが、そうか、麗子ちゃんの息子のベビーシッターだったのか。」そうかそうかと一人で納得しうなずきながら近寄ってくる初老の男性。上品でいかにも上流社会の人と言う感じだ。
「い、いえベビーシッター…というか…」
口ごもっていると
「ハッハッハッ。その通りです。」
嫌な笑い声が後ろから聞こえた。
駒山社長だ。
「いゃ~一見仲睦まじい感じがしたので私はてっきりハッハッハッ。」
初老の男性は駒山社長に近づき、握手をした。
「そんな、こんないかにも可愛らしいお嬢様は一翔にはもったいないですよ。」
誉めているようで目は笑っていない。
「おじさま!」
「おお、たえちゃん。悪かったね、目立つ様なことをして。」
秘書の松下さんは社長のことを おじさま と呼び、さっきまで秘書の松下、と呼んでいたはずなのに社長も松下さんのことを たえちゃん と呼んでいる…。頭と心がついていかない。
いったい私はここで何をしているのだろう。
「父さん…」
怒りをあらわにした声で呼びかけるその声に身体が震えた。
「あぁ、一翔。ご苦労様。そういえば、たえちゃん、昨日の夜は悪かったね。突然、しかも夜遅くまで。」
「いいえ、昨日も一翔さんの部屋に泊めて頂いたので大丈夫ですわ。」
長い髪をサラサラとかきあげる。
その言葉とほのかに漂う柑橘系の香りに目がクラクラしてしまった。
その様子に気づいたのだろう。カズくんがあわてて声をかけてくれた。「…!大丈夫か?つむ…」
「紬先生、おしっこ!」
カズくんの言葉を遮るようにたっくんが大きな声で言った。
「そう、じゃあ先生と行こうか。」
たっくんを下ろし、手を繋いで出口に向かう。
「紬先生、いいです、私が…」
「いえ、大丈夫ですよ。麗子さんはお知り合いも多く、大切なビジネスの話しなどあるでしょうから。私がたっくんのお相手をしておきます。」
麗子さんがあわてて追いかけてくるがやんわりと断る。
「紬!」名前を呼ぶ声が聞こえたような気がしたが振り向かずそのまま出口へと向かった。
ふんわりと足元が暖かさに包まれふと我に返る。
「紬先生どうしたの?」
たっくんが私の足元にしがみつき上目遣いで心配そうに見上げている。
「ふふ、何でも無いよ。大丈夫。」
たっくんに心配かけてはいけないと思い、笑顔を作りたっくんを抱き上げた。
「一翔くんが連れてきた女性だから、どなたかなと気になっていたのだが、そうか、麗子ちゃんの息子のベビーシッターだったのか。」そうかそうかと一人で納得しうなずきながら近寄ってくる初老の男性。上品でいかにも上流社会の人と言う感じだ。
「い、いえベビーシッター…というか…」
口ごもっていると
「ハッハッハッ。その通りです。」
嫌な笑い声が後ろから聞こえた。
駒山社長だ。
「いゃ~一見仲睦まじい感じがしたので私はてっきりハッハッハッ。」
初老の男性は駒山社長に近づき、握手をした。
「そんな、こんないかにも可愛らしいお嬢様は一翔にはもったいないですよ。」
誉めているようで目は笑っていない。
「おじさま!」
「おお、たえちゃん。悪かったね、目立つ様なことをして。」
秘書の松下さんは社長のことを おじさま と呼び、さっきまで秘書の松下、と呼んでいたはずなのに社長も松下さんのことを たえちゃん と呼んでいる…。頭と心がついていかない。
いったい私はここで何をしているのだろう。
「父さん…」
怒りをあらわにした声で呼びかけるその声に身体が震えた。
「あぁ、一翔。ご苦労様。そういえば、たえちゃん、昨日の夜は悪かったね。突然、しかも夜遅くまで。」
「いいえ、昨日も一翔さんの部屋に泊めて頂いたので大丈夫ですわ。」
長い髪をサラサラとかきあげる。
その言葉とほのかに漂う柑橘系の香りに目がクラクラしてしまった。
その様子に気づいたのだろう。カズくんがあわてて声をかけてくれた。「…!大丈夫か?つむ…」
「紬先生、おしっこ!」
カズくんの言葉を遮るようにたっくんが大きな声で言った。
「そう、じゃあ先生と行こうか。」
たっくんを下ろし、手を繋いで出口に向かう。
「紬先生、いいです、私が…」
「いえ、大丈夫ですよ。麗子さんはお知り合いも多く、大切なビジネスの話しなどあるでしょうから。私がたっくんのお相手をしておきます。」
麗子さんがあわてて追いかけてくるがやんわりと断る。
「紬!」名前を呼ぶ声が聞こえたような気がしたが振り向かずそのまま出口へと向かった。



