流石にここで待つのはなぁ…


奏には悪いけど、少しここから離れよう…


人ごみから抜けて、少し人気のない場所で待つ。



ここなら少し落ち着くなぁ…


さっきの騒がしい声は嘘のようになくなって、気づかなかったけど風もほどよく吹いていて気持ちいい。


落ち着いている中、後ろの方からすごく大きな歓声が聞こえた。


え…何。


「ねぇ!さっきのイケメンくんどこいった⁉︎」

「本当に王子って感じだったよね!一年生かなぁ?」

「まだあっちにいるかもよ!」

「マジ⁉︎いこいこ!」

声が聞こえながら女子の大群が私の前を横切る。


ほとんど女の子…?
それにイケメンくんって…


そのイケメンくん(勝手に命名)がいるからみんな騒いでるの…?


頭の中で考えていると


「ちょっとどいて!」


「え…っきゃあ!」


どん、と急に誰かにぶつかられた。


頭からゆっくりスローモーションに体が傾いていく。



え、ちょっと頭…死ぬ!!


痛みに備えてギュッと目を瞑った。