朝からドタドタと騒がしい家の中。


「楓ー、もう7時よー!」

「わかってる〜!」


さっきまで静かだった空間に似合わない呼び声。


時計の針は7時すぎをさして、カチカチと音を立てている。


やばいやばいやばい


早く髪も整えなきゃ…!


鏡の前に座ってゴムとくしを手に取る。


髪をとかし、後ろで結んでハーフアップに。


この髪型は私のこだわり。


そんな朝から騒いでる私の名前は七海楓(ナナミ カエデ)、今日から高校生になる。


身長は150㎝前半、顔は少し童顔でよく中学1年に間違われる。


痩せているわけでも太っているわけでもない体型、顔の偏差値50の少し童顔なだけの平凡顔。


特に目立った特技とかがあるわけではなく、どこにでもいる普通の女子。


ただ、この髪の毛は少し色素が薄く、茶色がかっていてさらさら。


それだけはすごく気に入ってる。


「ご飯用意してるから、着替えたら来なさいよ〜!」

「はーい!」


お母さんのはった声が家中に響く。


お母さん声だけはすごく大きいんだよなぁ…