「なになに、恋煩い?」



そう声をかけてきたのは板倉 禅(いたくら ぜん)


私の唯一の男の子の友だちなの



「違うし、恋してないんだよ、私」


「あーあ、可哀想な二宮〜〜」


「む、なにそれ、禅だってしてないくせに!」


ニヤリと笑っていじってくる禅、悪趣味っ


「俺はしてますけど??」


恋してない、勝手にそう思ってたけど……


「えっ!うそ、だれだれっ!?」


禅は滅多に女の子と話さない

話してるの、私ぐらいじゃないかな〜?


そんな親友に、恋してること話してないのおかしいでしょ。



「教えてよ、禅っ!」


「んーーー当てられたら、な。まぁ、どーせ無理だろうけど」