〔SAY YES.〕


車を走らせて、信号待ちの間に俊が私の髪に触れて来た

「えッ?」
『あ~~あッ、こんなに濡れちゃって、寒いだろう?』


車のヒーターから暖かい風が吹いてくる。
だけど、雨にしっかり濡れた身体は、冷えて凍えそう

「ちょっとだけ、寒くて・・」
『風邪でもひいたら大変だな。家、何処だっけ?』
「港区です」


時計を見ながら考えているが、この時間だと渋滞にはまって
身動きできなくなるって言う。

『僕んとこのマンションでイイ?』

私はどう返事するべきか考えて黙り込んでしまう。

『その濡れ方だと間違いなく風邪をひくよ。服も乾かさないと。
さっきからとても魅力的なシルエット出てるし』


そう言われて、自分の濡れて透けて見える下着を確認した。
思わず上着を胸元にたぐり寄せる。


「はい、お願いします」

俊は私の返事を聞くと微笑みながら、自分のマンションが病院から近くで、
最近引っ越した事を話してくれた。

『まだ荷物が整理できてないけど』