if...運命の恋~エリート循環器医は彼女を手放せない~


「片瀬せんせ、私ね今夜はセンセイと離れたくないなぁ~!」
『ああ、、そうか』
「あらッ!私だってセンセイの傍にず~~といてあげる! ねぇ?」


両手に華の状態だが、若い看護師さんたちが僕の耳に口を寄せて小声で囁いてくると、いつもの調子で笑顔を作って差しさわりのない返事をする。


『みんな、ありがと~~! 僕は本当に嬉しいよッ!』
「ねぇ、片瀬先生、一人だけに決めてよ~!ねぇ・・私でしょ?」
「何よ~ッ!片瀬先生は私がずーーーーーと狙ってたんだからねーー!」
「あらッ~~何よッ! センセイは私よッ!」


ヤバい、今夜でこの病院のスタッフとは最後になるって知ってるからこそ、
それぞれの主張がいつもより若干激しいぞ。
僕は困って、斜め前に座る看護師長に困った顔をむけると
看護師長は、ニヤリと口角をあげて言った。


「片瀬先生も最後なんですから、、お楽しみくださいな」
『はぁ?』

僕がとんでもない声を出したら、もっと凄いことを言って来た。

「片瀬先生、このホテルのスイートって東京タワーにスカイツリーまでが
見えて素敵らしいですよ」

『はは、、、綺麗でしょうねぇ。 すみません、ちょっとトイレに、、』