〔恋愛のはじまり2回戦〕


舞子に電話をしてから、1時間ほどで自宅に戻ってきた。

舞子のミルクティーベージュの髪が雨で濡れていた。俯いている顔は綺麗にナチュラルメイクされていて可愛い印象だ。19歳という若さを際立たせる背中がざっくりと開いたトップスに生足にショートパンツという露出が高い洋服を纏っている。
姉である薫は、ひとまず急いで帰ってきたであろう舞子に優しい微笑みを向けて話しかけた。


「はい、タオルよ 髪が濡れてるから拭いて。舞子、どこに行ってたの?」
「・・・友だちの家」
「連絡しても返答がないって心配するでしょ?」
「ごめん」

薫の言葉に素直に謝ってくる舞子に”やっぱりかわいい”って思ってしまう。
薫は、髪を拭いている舞子の頭をポンポンとする。
舞子もそんな薫に無邪気な笑顔を向ける

「わかったら、着替えておいで。 一緒にパパのところに行こう」
「うん、パパは大丈夫なの?」
「今はもう大丈夫みたいよ」

私たちのそんな様子を見ていた義母が話す

「お医者様は軽い貧血だっていうんだけどね、お父様、舞子の事で心配してらしたから」
「私のせいだって言うの?!」


母親の言葉に過剰に反応する舞子は、いつもこんな様子なんだろう。