今日は午後から依頼されていた講演の予定が入っていた。
ちっともゆっくりするなんて出来ない。せめて薫を胸の中に閉じ込めて残りの時間を過ごしたいと思った。
僕の指先が薫の敏感な場所を捕らえて優しく撫ぜた後、ピンと弾く。
薫は「あ、んっ」と艶めかしい声で僕をドキドキさせてくれる。
”さて、これで当分は君は僕の胸の中・・・のはずだったのに”

何やら小さな物体が、僕たちの横になってるベットに上ってくるんだ。
横目で確認したら、僕たちの可愛い息子(ライバル)だった。

「まま、、、あっち、、あっち行く」
『うん? 何だい?! 優人、また君は僕の薫を奪いに来たのかな?!』

僕がそう言っても優人はしきりに訴える
薫にリビングを指差して ”あっち”と言って誘っているんだ。

「うふふッ、、優人、あっちなのね?」

薫が僕の胸の中でクスクスと笑い出す。『はぁ~~』僕は深い吐息を吐くと不機嫌な顔をした。そして文句を呟く。
『何だよ~! 僕の小さなライバルが、また君を奪いに来たよ』

僕と薫が二人きりでいることが、優人には気に入らないらしい
僕は観念してベットから起き上がると、優人を抱っこして薫とリビングに行くと、ソファに優人を座らせて、たまたまTVで放送中のアニメに神経を集中させるように仕向けた。

『ほら、優人、 あれ、カッコイイなぁ~』

キッチンに行った薫を目で追いかけて、僕は優人を抱っこして暫くアニメ鑑賞をした。
優人がアニメに夢中になると、キッチンの薫を横目にみてから洗面所に行った。洗面を済ませ鏡に映る自分をみて、父親から男に変わる瞬間だ。
無意識に上半身の筋肉の盛り上がりや、胸筋や腹筋まで気になる。
男はみんなナルシストだっていうけど、今日の僕もそれにもれない感じだ。