if...運命の恋~エリート循環器医は彼女を手放せない~


「パパ、私ね、医学部に入りたいの」
「ええッ?!舞子・・お前が?」
「何よ~ッ そんな驚かなくたって良いじゃない。 あっちである人をみてて
一緒に仕事がしたい。そんな風に思ったんだもん」

「ある人? 医者なのか?」
「うん、とっても素敵な人なの。 彼をみてて 私、そんな気持ちになったの。
だから、彼のそばで一緒に勉強したいってそう思うの」

父は私の考えを聞きながら目を閉じて頷いた。

「それで、あっちで医学部に入りたいのか?」
「うん、きっとそうなるわ。だって彼がまだアメリカにいるのなら」
「結構厳しいぞ、こっちの医学部では無理か?」
「うん、今のところは。医学部への勉強でも、、あッ!その彼ね、パパもお姉ちゃんも知ってるはずよ」
「ん? 薫も私も知ってるって?」

父が怪訝な顔で舞子に尋ねる。

「だってね、2年前までお姉ちゃんの恋人だった人だから」
「なッ、何?! 片瀬くんなのか?!」

父が異様に驚いた顔をして身を乗り出した。
父がどうしてこんなに驚いているのか理解できない。

「舞子、どうして? 何で片瀬くんと?」
「私も彼も、つい最近この事実を知ったのよ。まさかお姉ちゃんの恋人だったなんて驚いたわ」
「薫は、、薫はその事を知ってるのか?!」

慌てた口調で父が顔を歪ませている。

「数日前に、はち合わせしたわ。でも、お姉ちゃんには今、恋人もいるし
おまけに優人くんがいるでしょ?」

「なんていう事なんだ! 舞子、それは、、それはダメだよ」
「パパ? 何が? どういうこと? 何がダメなの?」

父が私を見ながら肩を落としている。そして私は衝撃的な事実を知らされた。