if...運命の恋~エリート循環器医は彼女を手放せない~


「舞子! いい加減にしなさい!お父様にちゃんと説明すべきでしょ!」
「・・・・」

実家に帰った私は アメリカから帰国して、まだ一度も父親と顔を合わせていなかった。どうせ、私は期待されていない娘だし、どうだっていい。そう思ってたから。
母が何度も私に父のそばに行くように言って来るが、私はそのまま俊先生が宿泊するホテルに押しかけるつもりだった。

リビングのドアが開いて、私と母がいる場所に父が顔を出した。

「あっ・・・パパ」
「舞子、”あっ”はないだろう?”ただいま”の挨拶もしないつもりか?」
「・・ただいま帰りました。でもね、また行くわ!パパ、止めても無駄よ」
「そうか、行くのか」

何だか調子が狂う。 普通だったら私の意見に大反対する父なのに。父がソファに腰掛けて、私にも座るように目配せする。
私は、仕方ないと、ため息をつきながら父の前に座った。


「どうだ?アメリカは?」
「どうって、それなりに充実してました」
「それで、また行く気か?」

素っ気なく答える私に、笑顔を向ける父が何だか素直に認めてくれそうな雰囲気で、私は正直に向き合う気になる

「私があっち行っても問題ない?」
「うん、まぁ、娘が遠くに行くのは寂しいけど、お前が選んだ道なら・・」
「パパ?!本当に? 本当にそう思ってくれるの?」

いつもは私の気持ちなんか無視してる父が嘘のように
真摯に私の話を聞いてくれる。