if...運命の恋~エリート循環器医は彼女を手放せない~


坂本先生に連れていかれたホテルのレストランで席に案内される。
このホテル、確か上階にレストランやバーがあって、、前に来た事あるわ。

地下の駐車場に着き、トランクからベビーカーを出すと、開いて優人を引き取ろうとしたが、すでに坂本先生が優人を抱っこして歩き始めてしまう。

「坂本先生、私が優人を」
「いいえ、大丈夫ですから、僕に任せてください」

「でも・・」
「ああ、それから薫さんは僕に話を合わせて下さいね」

「はい?あの、どういう?」

 坂本先生が そんな風に言ってきた。 ”話を合わせる?”・・・って何を? 
上昇するエレベーターの案内板を見ながら、これからの時間が不安になってしまう。

テーブルには すでに坂本先生のお母様が座っていた。近づく私への視線をはっきり感じてしまい、申し訳ない気持ちになる。

「薫さん、どうぞ」
坂本先生が私を席に誘導する。私の体面に坂本先生のお母さまが座って、私は優人を挟んで坂本先生と横並びだ。
・・・何だか、変?・・・

「母さん、お待たせしました。あの、、こちらが前にお話した
 大澤薫さんです」

「はじめまして、大澤薫です。坂本先生にはお世話になっております。今回も、このようなお席に図々しく来てしまいました」

坂本先生のお母様は少しだけ頷きながら
私の挨拶を聞いた後、笑顔を向けてくる。