母さんが予約したホテルに着くと、ソコは僕と薫が二回目に再会した時に行った新宿のホテルだった。
急速に昔の事を思い出してしまう。
母さんがチェックインを済ませる間に、僕はボーッとして椅子に腰掛けていた。雑誌をめくってはいるけど、頭の中は薫と再会した日の事だった。そして先日の薫の顔を思い出していた。
突然に僕の肩が叩かれて、上を見上げる。
目の前に舞子が笑顔で立っているじゃないか!
『・・・舞ちゃん、どうした? あッ・・まさか?』
「お母様、みえたのね。お電話でお話したから初めて会った感じがしないわ。
俊先生のお母様、大好きになりそうよ。とっても楽しいんだもん」
そこに母さんが 現れた
「チェックイン終わったわ。舞子ちゃん、どうもありがとうね」
「どう致しまして、お母様、当然のことですよ~!」
何で、母さんが舞子の事をそんなに気安く?うん? どうしてだ?!
僕はどうにも疑問に思った。それに電話をしたって?
『母さん、何で舞ちゃんとそんなに仲が?』
「俊ちゃん、アメリカで舞子ちゃんと仲良かったって・・でしょ?」
『うん、それはそうだけど・・あのね、母さん』
舞子が僕の服を引っ張って言うんだ。
「俊先生ったら、お母様に私の事を言ってなかったでしょ?
最初に電話したとき、驚かれたんだから~ねーお母様!」
「ええ、そうねぇ・・」
”そういう事だったのか。だから母さんがこっちに出てきたのか”



