「先ほど今日のパーティーはピンチヒッターだって、私と同じって聞こえたんですが、、」
『うん、そう。後輩が来るはずだったんだ。なのにくだらないゲームで負けた
もんだから、僕が来たって話』


彼の言葉を聞いた途端、胸がチクりとした。そうなんだ。それでもあそこに
来たという事は出会いを求めてって事よね。
ちょっと優しくされて、勘違いしそうになった自分を戒めた

声をかけた私が途中で帰る事になったから、、、彼にとっては、まだゲーム中
なのかもしれない。これだから、アラサーの恋愛初心者はコロッと騙されてしまう

『今日の男性陣がハイクラスな職業って事で、後輩がバイトしてたんだ
 要はサクラだな。 経験したら感想を要求されてるんだ』
「そうですか。そんな人多いんですね」


丁度、信号待ちで停車中でもあり、思わず顔を見合わせる私たち
彼が話す事にそっけなく返事を返してしまった。

『女性陣の中にもサクラっているんだな』
「私はこんな経験初めてだったから妙に緊張しましたけど、二度としません」

少しだけ彼が驚いたように肩をすくめる。そして彼が私の方を見ながら話してくる


『だけど、お互いピンチヒッターって、、運命感じるね』
「えッ 運命ですか」


赤信号が青に変わる。彼はまっすぐに向き直り
そして私に話しかける。