明らかに 俊先生の態度が変わったのが解る。私の家族を教えてから・・
パパやお姉ちゃんと俊先生は知り合いだった?

俊先生の動揺の仕方が気になった
こんな風に慌てる人じゃない・・
お姉ちゃんの事を ”薫”と 呼んで・・・まさか?!
ううん、そんな事はないはずよッ・・
だって お姉ちゃんの事、パパだって言ってたもの、”薫はいつまでも一人きりで 男の影さえない”って。
それにそんな私の考えてるような事があるはずないもの。
お姉ちゃんは昔から奥手だったし、恋に興味なんてなさそうだったわ

そんなお姉ちゃんが、パパの大学学長の椅子を狙う争いに巻き込まれて、、あの事件は私だって知ってる。パパもママも黙っていたけど、プライバシーの侵害は被害者には関係ナイって思えるほどに新聞に取り上げられて。
その後にお姉ちゃんは妊娠していることがわかったみたいだし、

私には到底理解できないお姉ちゃんの決断
妊娠を続けて、そしてその子を産む・・
シングルマザーとして生きていくなんて私なら耐えられない。
その子が愛する男性の子供であれば 理解もできるけど・・

それに、パパの大学の数人の人を告訴して、事件を明らかにするなんて、自身にされた暴力を暴くようなもので、お姉ちゃんは暫く外に出ることも儘ならなかった。世間から二度乱暴されたようなものだったわ。
でも、俊先生はその事、知ってるのかな?



俊先生が身動きひとつせず、机に肘をついて顎にを手に乗せて考え事をしている。私はいつものように、この研究室を訪れたのに声をかけるタイミングを逃してしまった。
物陰からジッとして考え事をしてる彼をみつめてしまう。

”俊先生、、、私があなたと一緒にいたいって思ってる事、、、わかってる?
私が あなたを好きだって事、気づいてる?”