僕は、慌ててシートベルトを締めると彼女に言った。

『それより、、彼等は大丈夫かぁ?』
「大丈夫よッ!最近うるさく付きまとわれていたから丁度いいのよ」


その彼女は、まだ女性と言うには早いような? お転婆な女の子だと例えた方が良さそうだった。

「ねぇ?運転代わってくれる?」
『ああいいけど、何処まで送ればイイかな?』

僕がそう言いながら、その子を見るとその子は何も答えない。
そして、暫くして言った

「ねぇ、今日私に付き合ってよ」
『付き合うって、、あのさ、君ねぇ、僕がどこのどいつだって知らないのに、怖くないの?』

彼女の運転する横顔を見ながら、ちょっと呆れた顔でそう話すと
「別に、それにあなた、、、良い男性(ひと)そうだし」なんて返事が帰って来た。悪びれた風でもなくそう言って、僕の方をチラッて見て来る。

『残念だけど、子供の遊びに付き合ってられないんだ。降ろす場所、大学の傍でイイ?』
「降ろす? って付き合ってくれないの?!」
『ああ、付き合えない』

僕がそう答えると、彼女は車を急に路肩に停めた。そして、ハンドルを握っていた手を僕の首にまわして来た。

『えッ・・!ちょ・・ちょっと、何を』

その子の突然の行動に、さすがの僕も不意を突かれた気分で驚いてしまい、声が上ずってしまう。