”ここで知らん顔して通り過ぎるのもアリだろうけど、喧嘩の弱い僕が助ける気になっていた”
彼女に向けて大声で話しかける。

『最近は良く会うね~?大丈夫かい?』
僕がそんな風に彼女に声をかけると、彼女が言った

「助けてくれる気あるの?それとも見捨てる気?」

相変わらずの可愛げのなさに思わず笑ってしまう。そして今度は彼女の傍に近づきながら言った。

『うん、見捨てるわけにはいかないからなぁ・・僕は腕に自信がないから、まず君は逃げてイイよ』
「ふーん、助ける気があるんだ? いいわ、自分で始末するから車だけエンジンかけておいて!」
『えッ?』

僕にニヤリと口角を上げた彼女は振り返ると、彼等3人に”サヨウナラ”の挨拶をしてるみたいだ・・・はぁ?

そりゃ 相手の男達 怒るだろ?!
彼女に ”何言ってんだ?!”っていう風に突っかかって来て、彼女の手を掴んだ男達はかなり怒ってる。
僕はヤバいって思ったから、すぐに彼女の傍に寄って助けようとしたんだ。
でも、次の瞬間、その男達が目の前でバッタバッタと倒されていく
それも彼女の指一本だったから、僕は尚のこと驚いてしまった。

これ、合気道か?! かなりの強さだった。
目の前で倒れた男達をそのままにして、彼女が僕に振り返る。

「ねぇ?車のエンジンは? すぐに出れるようにって言っておいたでしょ?!」

彼女はそう言うと、威圧的な上から目線で僕を見る。そして僕の腕を突然掴んで車に走り出した。自分が運転席に座るとエンジンをかけ、めいっぱいアクセルを踏み込み急発進する。

『オイオイ、、レンタカーだからって壊さないでくれよ』