僕の寝そべっている場所から、丁度2メートル離れた場所にいた。
その言語を知っているから、申し訳ない気分だけど聞こえてしまうから仕方ない。どうも日本の家族と電話中みたいなんだ。

「うん、わかってるって。お姉ちゃん、心配しすぎだってばぁ
・・・えッ? はいはい、気をつけますって。
うんうん、そうするから・・そうだ、前に言ってた子供の写真送ってよ。そう、
お座りするんでしょ?ふふっ、、アッ、お姉ちゃんも身体に気をつけてね。」


スマホを閉じたと思ったら その子が 思いっきり大きいため息を吐きながら
とっても寂しいような表情をしたんだ。
”あれ?どこかで・・?” そんな風にその子を見てて感じた。

「・・はぁ~~ッ」

とっても大きなため息に、どこかでそんな光景を見た気がした。
僕の記憶の蓋が少しだけガタッと開きそうになってしまう。

久しぶりに聞いた日本語が気になったから、その子の方に目を向けていた僕の視線を感じたんだろう。その子も視線に気づいたのか、僕を見てきて目が合った。
僕は 何だかバツが悪い、思わず目を逸らした。
再び本を顔に置いて光を遮ると瞳を閉じた
そしたら、さっき聞いた声で僕に声をかけて来たんだ。