ツルルル～ル～♪・・・スマホを閉じようとしたその時、声が聞こえた
「・・もしもし？」
『薫？・・・僕だよ』
「・・・今日、日本を発つって聞いたから」
『うん、そうなんだ、今はもう飛行機の中だよ。離陸の一歩前ってトコで、
ギリギリになってね、やっぱり最後に君の声が聞きたくて電話しちゃったよ』
「・・元気で・・元気で頑張ってね」
『うん、君も薫も元気でな。そうだ、、元気な赤ちゃんを産んで。 いいな？』
「・・うん・・うん・・」
スマホから聞こえる薫の声が 泣き声で震えているのがわかる
僕はたまらなくなって、君を優しく落ち着かせるように言った
『なんだよ。最後に泣くなよ・・そんな声で薫と別れられないだろ？
幸せになってくれよッ・・・いいな？・・わかってるよな？』
「・・俊・・・俊・・・ごめんなさい・・私あなたに・・・」
『うん、わかってる、君が幸せなら僕は平気だから。それじゃあ切るよ、・・・・薫・・さようなら・・』
君の泣き声を聞きながら、僕だって我慢の限界ってモノがある
スマホの電源を落として、瞳を閉じて涙を慌てて拭った。
薫を忘れると決めた日になった
だから・・・僕たちは これで 完全に終わったのだと認識した。
