僕は母さんの勢いに負けて、あくびを噛み殺しながら親孝行しようって思うことにした。僕が着替えをしていると、またドアベルが鳴った。

ピンポ~~~ン ピンポ~~~ン♪
ピンポ~~~ン ピンポ~~~ン♪


「はいは~~い、どちらさま~?」

母さんがドアベルに反応して玄関に向かう。”あっ!もしかしたら薫か?!”

『母さん! いいよ! 僕が出るから』

そう言った時は、母さんはすでにドアノブに手をかけていた。玄関のドアモニターは確認しないのか?しかし、すでにドアは開けられ、母さんは僕の彼女に初めて遭遇する事になったんだ。
お互いの顔をみて驚くふたりに、母さんがストレートな質問をした。


「あッ・あの~ もしかしたら、俊ちゃんの彼女さん?」
「あ・・・はい・・」


”あ~~あ! 一番会っちゃいけない人に会ってしまうものなんだ。まだ、薫はお父さんの事で精神的にもマイッてるはずだし・・ウチの家族に会わせるのは、もう少し後でって思っていた。