〔愛すると言う事Ⅱ〕


”信じて欲しい”って言葉って、そんなに簡単に言える?
きっとそう簡単に誰にでも言う言葉ではないのよね


『薫・・イイよ、僕に説明させてくれ』
「でも、パパは完全に誤解しているわ。 私から事情を」


私がそう言って俊を見たら、彼の目が”大丈夫だ”って念押ししてくれたのがわかった。父は俊を睨みながら、再び殴りかかろうとする。だけど、俊は目を閉じるだけで、殴られるのを覚悟している。


「パパ!やめて! 俊を愛してるの。私たち真剣なの」


父が私の言葉を無視して、今度は拳で殴った。父の拳によって俊の唇が切れると薄っすらと血液が滲んでいた。
私は傍に近寄り腕をとると俊に言った

「ダメ・・俊、もう行きましょう!」


俊は私に優しい目を向けると、ゆっくり横に首を振る


「だって、パパは私たちの事を認めないわ。こんな酷い事を、、それに、パパに認めてもらおうだなんて思ってもいないもの。私たちだけで」

『ダメだよ、君は黙って』
「・・・・俊」