部屋の鍵をポケットから取りだした俊はドアの開け、私に入る様に促す

『さぁ、どうぞ。』
「・・・あの、ここで、ここでいいの」

私のそんな言葉に、訝しげな表情を浮かべて、困った表情をみせる。

『どうした?・・何かあった?』
「・・あなたがね、私に嘘をついてるって。ねぇ、本当に?」
『薫、突然にどうした?とにかく中に入ってから聞くから・・』

彼は私の腕を引っ張ると 部屋の中に強引に入れようとする。

「イタッ痛い・・」

彼が掴んだ手首は、大月先生に傷つけられ痣のある場所だった
私の苦痛な声と歪めた表情を見て、俊がコートのそでをめくると、さっきより
大きく紫色に変色した皮膚は腫れも酷くなっている。


『どうしたの、これ? ナニがあったんだ?』

私は彼の質問に答えず、今すぐにでも彼の本心が知りたくて質問をした。

「答えて、ねぇ、私を愛してない? 騙そうとしてるの?」
『薫、そんな事あるはずないだろう?・・僕は心から君を愛し』
「それじゃ、今日は何処に行ってたの?」


彼が言葉を言い終わらないうちに、責める言葉を言ってしまう。
驚いたように、少しだけ間をおいて俊が答えた。

『教授に頼まれてね、仕方なくお嬢さんの買い物のお付き合いをした』
「頼まれて? 仕方なく? 喜んでじゃないの?」