久しぶりのバスケに体がついてく感覚を戻しつつ、順調に決勝トーナメントにまで残った。
しばらく外で休憩することにした俺と健
風にふかれながら爽快感に心地良さを感じる。
「お。うちの女子だ。女子も結構勝ち進んでるね。」
体育館の下の窓から中を覗くと目の前で女子の試合をやってた。
覗くつもりはなかったのに、外そうとした視界の隅に満面の笑顔が見切れた。
無意識に視線を戻せばこの前同じグループだった子だ。
真面目そうでお人好しという印象の。
あの時から接点はない。
話すことなんかないし、自分から人と関わりたくない。
いつの間にかそういう自分に出来上がってたから。
そんなことを思いながらぼーっと体育館の中を眺める。
あの子あんな笑えるんだな…。
運動好きなんだろうな。あの時も俺らについて来てたし。
うわっ、痛そうな音した…。
無意識に顔が少し歪む。
腕を触りながら笑って大丈夫だとチームメイトに言っている。
すると、視線が下を向いて、窓から見てる俺とばちっと音が聞こえるぐらい目が合った。
咄嗟に視線を横に流して、横からも目が合う。
「…どうした?」
「いや…?別に何も。健こそ何か用?」
「別に〜♪」
鼻歌でも歌い出しそうな健
変には思ったが、良いことでもあったんだろうと決めつける。
マジで颯斗の初恋かも!
また女子のバレーを見ている颯斗
その顔は普段とは違い、俺といる時しか見せない無表情で無感情のもの。
だけどその目はどう見ても1人を追っている。
無意識なんだろうけど、その目もいつもは感じない温かさを感じた。
結局颯斗は最後まで窓から離れず、それを隣で俺は親友の初恋を静かに見守ろうと決めた。


